和やかでいられる空間でゆっくりお食事を 大阪市西区北堀江の日本料理 和顔（わげん）”手を抜かず、背のびせず”がモットーです

先週の水曜日に私の出身校の、大阪あべの辻調理師専門学校に行って来ました。

在学中や、独立してからお世話になった先生方にご挨拶に行ったのですが、
他にも、学生時代に教壇に立って講義をされていた教授の先生方とお話しをさせて頂きました。
今までの私の経験や、今の学校の生徒の事、指導方法など、いろいろと意見交換をし、とても勉強になりました。

そして、学校からのオファーで今年の5月に教壇に立たせていただく事になり、私にとって初めての事で戸惑いましたが、貴重な経験だと思い、お受けしました。

今から料理の世界に入ってくる人達に対しメッセージを送ることは、非常に大切な自分の役割だと考え、また、今までの自分の少ない経験の中で身を持って感じてきたことや考え方、これからの夢など、共にこの世界を支えていく仲間に、精一杯思いを伝えたいと思いました。

約100人の生徒さんの前で話しをするということなで、不安と緊張でいっぱいですが、「和顔」の心で臨みたいと思います。

本日は今月の『前菜』の話をさせていただきます。

一種目 根三つ葉とこんにゃくの辛子味噌和え
根三つ葉とは、根っこ付きの香りの強い三つ葉です。

二種目 あさり生姜煮
ふっくらとしたあさりを針生姜と一緒にさっと焚いております。

三種目 長芋桜抜き 酒盗明太射込み
酒盗明太とは、辛子明太子を酒盗(カツオの内臓の塩漬け)で味付けした自家製珍味です。

桜の枝をあしらっており、“春爛漫” を感じる一品目です。

桜の花も散り始め、春らしい陽気が続くようになりました。

先月の12日に私の大先輩がお店をオープンされ、13日にお手伝いに行かせていただきました。
お祝いのお花がずらりと店頭に並び、その数に圧倒され、先輩の人徳の高さに凄さを感じました。

神戸でお店をされている先輩もその日はお手伝いにお見えになり、御来店されたお客様も修行中のお客様で、久々に昔に戻った気がして緊張しました。新鮮で楽しい時間を過ごさせていただきました。

お店が終わってからは神戸の先輩と食事に行き、昔話から近況報告、料理やサービスの話など、久々に熱く話しをしました。

私は最高の師匠と先輩方に育てていただいたんだな、と改めて思いました。

その素晴らしい先輩方に置いて行かれないよう、日々精進しようと思いました。
本当にありがとうございました。

先輩のお店を紹介させていただきます。

「青地 (あおち) 」

大阪市西区新町1-30-6 合田ビル1階
営業時間 17:00～25:00
tel 06-6543-2280
定休日 月曜日
www.aochi.info

☆単品でされているお店です。ご夫婦でされていて、美味しいお料理を温かい雰囲気でもてなしていただけます。

今月の12日に、私の修業中の大先輩がお店をオープンされました。
その際、お祝いなどのことで全国各地でご活躍されている先輩方や同僚と電話で話をする機会がありました。
久しぶりに懐かしい声を聞き、とても嬉しくなり本題以外に近況報告など、いろいろな事を話しました。そして、どの方も同じ事をおっしゃっていました。

「あの頃は普通だと思っていたけれど、本当に恵まれた環境で仕事をさせていただいていたな」と。

私もつくづく思います。お給料や住環境、食事、休日など、何も心配する事なく仕事に集中させていただいたことがどれだけ幸せだったのかと。そして、もっと頑張れたのにと反省もしております (必死に頑張ってはいたのですが...)

私もその環境を与えることができる人になりたいと思いました。

忙しい時もそうでない時もありますが、あの頃の感謝の気持ちを忘れずに日々励んで行きたいと思います。

☆写真は今月の女将特製折り紙のディスプレイです。雛人形の横にあるぼんぼりが鶴で出来ているのが可愛らしいです。私には到底真似出来ません

本日は今月の煮物『平目の子とえんどう豆の玉子とじ』の話をさせていただきます。

今が旬の平目の子 ( 鯛の子よりキメの細かい子です) をお出汁と生姜でじっくり焚いたものと、鹿児島県指宿産のうすいえんどう豆を小鍋で玉子とじにします。
仕上げに柚子の香りをつけております。
鍋肌より卵を半熟にしながら召し上がっていただきます。

毎年、大好評いただいている一品です。「選べる三品」では、是非選んでいただきたいと思います。