蒸し暑い日が続いております。当店も7月の料理に変わり、涼しげな献立を立てさせていただきました。
本日は今月の前菜「胡麻豆腐と地うに」の話をさせていただきます。
お店によって"作り方"や"味"の違う胡麻豆腐ですが、当店ではまず、白むき胡麻を少し煎り、水に漬けて一晩おきます。
それをよくすり潰して、さらしに包んで胡麻のエキスを絞れるだけ絞りだし、葛を溶かし弱火で約30分練り込みます。
この練り込みがポイントで、練り続けないとだまになり、口当たりが悪くなります。また、火を強くして短時間で仕上げると、粉っぽくなる上に、粘りも出ないため独特のねちっとした食感が出せません。そして一日分を毎日練り続けることです。次の日になると固くなってしまうからです。
根気強く、休まず、焦らず、毎日続けて練る事が重要だと思います。まさに、仕事に対する姿勢がそのまま出る料理だと私は考えています。
その胡麻豆腐の上に、淡路島由良の地うにを乗せ、わさびと包丁で細切りにした海苔をあしらっております。
胡麻の香りと地うにの甘みを味わっていただける、暑い夏の一口目にぴったりな、心を込めた一品です。