和やかでいられる空間でゆっくりお食事を 大阪市西区北堀江の日本料理 和顔（わげん）”手を抜かず、背のびせず”がモットーです

先日、私の師匠の「還暦祝賀会」がありました。

店を卒業された方や、独立された方達が全国から集まり、昔話に花が咲きました。
全寮制でしたので、寮での思い出話も多く、しんどかったあの頃も、今では笑って話せるいいネタになっていました。
今それぞれがおかれている状況も話し、先輩方が活躍されている姿を見せて頂き、がんばれる力をもらえた気がしました。

そして、この会に全国からこれだけの弟子が集まる師匠の人間性や信頼に改めて凄さを感じ、この店で働かせて頂き本当によかったと、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

「結局は、人間性でお客様は集まってくる。それを磨き、それをし続ける事が一番大切な事だ。」

と師匠は熱く私達におっしゃいました。

今は苦しくても、下を向かず、磨き続けていける自分になれる様にこの日を忘れず、日々励んでいきたいと思います。

本日は、今月の箸休め「ぬるぬる和え」の話をさせていただきます。

オクラ、なめこ、長いも、えのき、
このぬめりのある4種類のお野菜それぞれに味をつけ、小さく切り、実山椒を少し加えて和えます(この実山椒がとてもよく合い、美味しさを引き立てます)。
それを冷たく冷したボヘミアグラスに盛り込んでおります。


蒸し暑い季節、疲れた体に美味しいお料理ですので、5品のコースにも是非、追加して頂きたい一品です。

「美味しい」という要素は "味" だけではないという事は誰もが思うところです。私もそう思います(私の中で味は50%くらいです)。

残りは、店内や従業員の清潔感、
落ち着ける空間(明るさ、広さ、音、匂い、室温)、
料理のスピード、温度、気配り、
食事を共にする相手等、
そういう事が大きく左右します。

それを「どれだけ100点に近づける事が出来るか」が、提供する店側の課題だと思います。

「美味しい」=「楽しい」

これが私の料理観です。

私の目指すところは、料理というものを通じてお客様と "空間と時間" を共有させていただき、お客様に楽しんでいただきながら、私達も楽しむ事です。

一人でも多くの方に当店で、楽しい時間をお過ごしいただけます様、手を抜かず、背のびせず、店づくりに励みたいと思います。

これからもよろしくお願い致します。

本日は今月の「焼物盛り合わせ」のお話をさせていただきます。

4種盛の1種目「トマトとズッキーニのサラダ仕立て」
フルーツトマトとズッキーニの表面をさっと焼き、すだちのドレッシングをかけております。

2種目 「太アスパラとトウモロコシのフライ」
北海道産の太アスパラと宮崎産のトウモロコシを、自家製のパン粉をつけてフライにしています。
どちらも引き立つ甘さがたまりません！

3種目 「かますの山椒焼き」
かますの身に刃たたきした有馬山椒をぬりつけて一夜干しにし、焼いたものです。
あぶらの乗った身と山椒がよく合います。

4種目 「穴子の白焼き」
穴子を白焼きにし、手前に添えてある、醤油を染み込ませた辛味大根おろしと一緒に召し上がっていただきます。
穴子と大根おろしの相性がバツグンです。

見ても食べても美味しい一皿です。

お酒と共にじっくりと楽しんでいただきたいです。

先日、年に一度カナダから来日されるお客様がお見えになりました。

昨年もお見えになり、「日本に来た時は、必ず行きたい」とおっしゃっていましたので、私達も心待ちにしていました。

料理が出る度に大変感動され、「美味しい！素晴らしい！」と絶賛していただきました。
お食事が終わり、「また一年後、ここに来るのを楽しみにしています」と、おっしゃり、店を後にされました。

この日を楽しみに御来店され、その瞬間のために準備をし、おもてなしが出来た結果だと思っております。

御来店されるお客様に喜んでいただけますよう、"お迎えする心構え" と "お料理をスムーズにお出しするための準備" を しっかりする事が私達の仕事だと考えております。

日々の仕事を忙しさのあまり、ただこなして済ましてしまう事の無いよう、お客様はいつも楽しみに御来店されるという事を忘れ無いよう、従業員一同気を引き締めて取り組んでいきたいと思います。

※写真は今月のディスプレイです。女将が折り紙で折ったあじさいとカタツムリです。